2013年2月20日水曜日

[ラブライブ!]第7話Bパートのエリーチカの発言は的外れでもなんでもないよというお話。

 エリーチカが第7話Bパートで言っていた

「私にとっては、スクールアイドル全部が素人にしか見えないの。
一番実力があるというA-RISEも、素人にしか見えない」

と言うセリフ、「子供の頃バレエやってたぐらいで何言ってるんだ」「バレエとアイドルのダンスは別物だろ」「何を偉そうに」という意見がTLのかなりの部分を占めていました。しかし、本当にそうでしょうか?

 結論から言うと、あの子の発言は偉そうではありますが全く的外れでもなんでもありません。むしろエリーチカのレベルならその台詞が出てきて当然だと思います。ということでそれを根拠を示して弁護していこうかと思います。

 まず、「子供の頃バレエやってたぐらいで何言ってるんだ」という点について。そんな習い事レベルの次元じゃありません。

 ここで重要になってくるのは「エリーチカの動画が簡単に手に入った」という点です。例えば海未ちゃんがyoutubeあたりで動画を見た、と仮定します。

ballet competition - YouTube - http://www.youtube.com/results?search_query=ballet+competition

バレエ コンクール - YouTube - http://www.youtube.com/results?search_query=%E3%83%90%E3%83%AC%E3%82%A8+%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB

 こちらの検索結果を見るに、自分でアップロードしたのでもない限り(性格的にこれは除外していいかと)出てくるのは基本的に日本語検索の場合全国大会優勝者レベル、英語検索の場合国際大会入賞者レベルとなっています(英語の方は実際に何人か経歴検索してみました)。

 そしてエリーチカのロシア人クオーター、という経歴、妹ほど最近までではないにせよおそらくロシアにある程度の年齢までいたということ(祖母の母校の音ノ木坂へ入学したことと、部屋の写真を考えると高校入学あたりを機に渡ってきたのかもしれない)を考えれば先ほどの上の検索結果に出てきている「モスクワ国際バレエコンクール」や「ヴァルナ国際バレエコンクール」の入賞者の可能性すらあるわけです。

 モスクワ国際、ヴァルナ国際、ジャクソン国際バレエコンクール(今回の場合コレはアメリカで開催されてるので除外)は世界的に主要なバレエコンクールとして名高いコンクールであり、そのレベルまで行くということを考えれば「習い事レベルの話ではない」というのも分かるかと思います。
 また、これが日本の全国大会であったとしても同様ですね。国際コンクールよりは格は落ちるかもしれませんが、それでも習い事レベルの話ではありません。


 とりあえずここまででエリーチカのバレリーナとしてのレベルが非凡なものである、という点が考察できたところで、次に「バレエとアイドルのダンスは別物だろ」という点についても反論していこうと思います。とりあえず全く別物、というのは間違っています。

 これを述べるには西洋ダンスの歴史から振り返る必要があるのですが、バレエはルネサンス期の宮廷の舞踏会から発祥しているダンスで歴史的に現在の西洋のダンスはほぼバレエの文脈を基礎としています。一般的にミュージカルやバックダンサーの人達が踊っていることの多いジャズダンスもバレエを基礎としていますし。


(参考:ジャズダンスの具体例)


 勿論ストリート系ダンスのような全く違う文脈のものも存在はしますが、μ'sの面々は別にそういうジャンルをやってるわけではないので今回は除外してもいいでしょう。

 また、そもそもバレエで学べるのは筋肉や骨格の動かし方、であるためプロの振付師やダンサーでもバレエ出身の方は結構多いようです。ジャンルが違っていてもその方が上達が早いそうですね。ちなみに新体操やシンクロナイズドスイミング、フィギュアスケート、宝塚のような舞台俳優あたりもバレエを基礎として学ぶことが多いそうです。

 当然アイドルのダンスは西洋のダンスの文脈が強いですから、そもそもその辺りをキッチリ抑えているエリーチカから見れば最近ダンスの練習始めてその点がまるで素人の穂乃果ちゃん達のダンスは当然「体捌きから何からなってない。人には見せられないレベルだし基礎からやり直せお前ら」という話になります。
 海未ちゃんは動画を見ることでこの意味を理解したからこそ、「教わりたい」と言い出したんじゃないかと思います。彼女の家は日舞の家元ですから和洋の違いはあれど当然その手の舞での魅せ方についての素養はμ'sの現メンバーでは一番あるはずですし、エリーチカの凄さを理解できるなら彼女以外にあり得ないでしょう。

 ではA-RISEは?全国トップレベルではないの?という話になりますが、ここで第4話のことりちゃんの台詞を思い出してみましょう。

「プロのアイドルなら、私たちはすぐに失格。でも、スクールアイドルなら、やりたいって気持ちを持って、自分たちの目標を持って、やってみることができる!」

そう、そもそもプロのアイドル>>スクールアイドル、という絶対的な前提があるわけです。プロ野球と高校野球のように。アニメで見てると忘れそうになりますけどね?
 その点を考えれば、先ほどの最初の考察で述べたエリーチカのバレリーナとしてのレベルから見ても、たとえA-RISEと言えどダンスについては今回のような台詞が出てくるのは無理もないかと思います。根本的にアイドルはダンス100%ではなく歌とダンスとアイドルオーラで戦う人達ですしね?ダンスだけで見るとそりゃガチな踊りだけで戦う人から見たらね?

 したがって、これらから彼女の台詞が別に的外れでもなんでもないことが分かりました。ただし、当然最後の一文の「ダンスだけではなく歌とアイドルオーラで戦う」という部分について考えればエリーチカ攻略の糸口も見えてきますね。あの子が言っていたのはあくまでもダンスだけの話ですし。

 とりあえず自分からのエリーチカ弁護はこんなところです。

 元々は「いや、クラシック出身のトロンボーン吹きがポップスのトロンボーン吹きに対して『お前はトロンボーンの基礎がそもそもなってねえ』って言ってるようなもんだし『全く別物』っていうのは違うんじゃないの。そもそも楽器違っても音楽的アドバイスは出来るものだし」と直感的に思ったのがきっかけで調べたことなのでダンスの専門家から見るとひょっとしたら間違えているところもあるかもしれません。もしそうなら正しい知識を知りたいので是非ご教授願います。

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